当たりプレスとは?
商品のコメント欄で、時々表記しております「当たりプレス」という単語について説明いたします。
特に50年代のR&Bインディペンデント・レーベルでは、廃棄するはずの塩化ビニールを再利用し、安価にプレスされたコピーや、摩耗したスタンパーを限界まで使い続けたコピーが普通に製造~販売されていました。
プレス時にスタンパーからはみ出たレコードの外周部分はカットされ、レコードは綺麗な円形になり完成します。
しかし低予算のインディペンデント・レーベルは、安くプレスができるこの「安価プレス・プラン」をおおいに受け入れ、自社独立の足掛かりとしました。
特に初期のATLANTIC/ATCOレーベル、SUNレーベル、MODERN/RPMレーベル(傍系にあたるCROWNレーベルは代表的な廉価レーベル)、CHESS/CHECKERレーベル等はその傾向が顕著であり、これらのレーベルを買う時にはプレス状態に対する注意が必要です。
また当時のスタンパーは技術的に約1,000枚のプレスが限界とされていたらしいですが(一部には500枚が限界との説も)、スタンパーを増産する予算のない弱小レーベルは、限界を超えて劣化したスタンパーを使い倒す事を行っており、その状態のプレスでは溝が浅く、ヒスノイズが目立つ、所謂“外れプレス”や“風邪ひき盤”が流通する原因となります。
当店では、買い付け時には目視だけではなく、一枚づつ視聴し、プレスの状態を実際に確認いたしております。
その時にヒスノイズが少なく、全体的に鳴りが良く、「これは当たりである」と思えたレコードの事を、「当たりプレス」と表現するに至った所以です。
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